Akamai × MUFGのコンソーシアム型ブロックチェーン技術
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Akamaiが提供する高速なエッジプラットフォームを前提に、従来型技術よりも高スループットの決済処理の提供を目指す独自のブロックチェーン技術を作ったらしい
どこがどう凄いのかというと、決済処理速度2 秒以下、世界最速の取引処理性能毎秒 100 万件超の取引というポイントらしい(出典) さらに、機能拡張により「毎秒1000万件」への展望も可能と記している。
ブロックチェーン技術を考えたときに、以下の2点が取引を高速化させることができる
1. ノード間のネットワーク速度
2. ノードのブロック生成・検証の所要時間
独自ソフトウェアの開発によって解決
また、Bitcoinのレイヤー2技術と呼ばれることもあるLightning Networkでは、ブロックチェーンの外側のノード間で高速高頻度の決済を実施し、その合算結果だけをブロックチェーンに記録する。このようなやり方については「詳細な取引記録が残るというブロックチェーンの本来の機能が損なわれる」と批判している。 つまり、MUFGは多数のノードが地理的に分散することによる高可用性を重視し、かつブロックチェーン上にすべての取引が記録される形での高速化を重視していることが分かる。
ブロック間隔は、Bitcoinでは10分であるのに対して「新型ブロックチェーン」試作システムでは100msと大幅に短い。これはAkamaiの高速ネットワークを前提とすることで実現できたと考えられる。Bitcoinとは異なりPoW(Proof of Work)は用いないが、合意形成アルゴリズムはBitcoin類似としており、6ブロック作成の時点で決済完了とみなす。これはBitcoinなどパブリックブロックチェーンで用いられる確率的な合意形成を用いることを示す。この点でも、ファイナリティ(決済の確定性)を重視した合意形成を行う従来のコンソーシアム型ブロックチェーン技術とは発想が異なる 毎秒100万件と高速な決済処理は、従来型のデータベース管理システム(DBMS)を活用したシステムでは難しいとMUFGは結論付けた。その背景として、従来のDBMSではデータの更新は同期処理、つまり一件ずつ処理していくやり方を基本としていることがある。一方、ブロックチェーンは多数の取引(トランザクション)をまとめた「ブロック」単位で処理を実行する。つまり非同期処理のやり方を取る。非同期処理は処理の遅延が大きくなるのと引き換えにスループット(システム全体での単位時間あたりの処理性能)を高くでき、処理要求が一時的に殺到する状況(スパイク)にも対処しやすいというメリットがある。